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2007年6月29日 (金)

『禅とオートバイ修理技術』

こんばんは。マダム でんでん♪でございます。

プログラミングに熱中したせいでここ数日体調を崩してまして、ごろごろしながら前から読み直したいと思っていた禅とオートバイ修理技術』(残念ながら版元品切れになっていて新本は手に入らないみたいです。プレミア付きの古本を買うか英語版"Zen and the Art of Motorcycle Maintenance"をどうぞ)を読んでました。ちょっと変わったタイトルなんですが、学生時代に読んでめちゃくちゃ影響を受けた本なんです。「オートバイ修理技術」って言葉が入ってますが、オートバイ修理の本ってワケではありません。サブタイトルにある「価値の探求」の方がメインテーマ。

この本、哲学から科学理論、エンジニアリングにいたる広汎な分野の理解力が要求されるようなとても難解なところが随所にあって、実は何度読んでも未消化のままなんですよね。わたしの力では内容の要約などとてもできないんですが。。。

この本の著者は、元英語科の大学教員で「クォリティ」の探求の末、狂気の道に迷い込み、電気ショック療法によって過去の記憶を失います。そして、失った過去の記憶と息子との絆を取り戻すために友人夫妻とオートバイの旅に出るのです。

物語としてはよくある自分探しの旅の特殊(電気ショック療法)な事例と言った趣なのですが、旅の中の出来事、オートバイのメンテナンスについての考察、失った過去の自分との邂逅といったエピソード全体が「クォリティ」の探求、すなわち価値の源泉の探求という大きなテーマに向かってぐいぐいと収束していくという不思議な魅力を持った本なんです。

こんなんじゃこの本の魅力が全然伝わらない気がしますが。。。

ちょっとだけわたしの今の興味関心に即して、気になったところを抜書きしておこうと思います。

価値、すなわち現実の前縁は、もはや構造物から突き出した一つの派生物ではない。価値は構造に先立って、それを促す前知性的な気づきなのだ。構造を持った現実は、評価に基づいて前もって選択される。この現実を本当に理解するには、それが由来する価値の源を理解することが必要なのだ。


もし工場を造りたい、バイクを直したい、あるいは行き詰まりのない国家を建設したいと思うなら、主体-客体という従来の構造化された二元的知識は、必要なものではあっても、それだけでは不十分なのである。それには《クォリティ》に対する何らかの思い入れがなければならない。正邪善悪の観念も必要だ。これこそが動きを促すものなのだ。この分別心は生得のものである。だが単に生得のものというだけではなく、それは進歩、発展させることができる。単なる「直感」でも、不思議な「技術」や「才能」でもない。それは従来の二元的な思考では容易に解しえなかった根源的な実在、すなわち《クォリティ》に触れて直接生じてくるものなのだ。


心の落ち着きは、技術的作業にとって決して表面的なものではない。これこそが重要なのである。心の落ち着きを生み出すものは優れた仕事であり、それを破壊するものは、悪い仕事である。設計明細書、計量機器、品質管理、最終点検などはすべて、作業責任者に心の落ち着きを与えるための手段である。ここでは心の落ち着き以外に重要なものは何ひとつない。なぜかといえば、心の落ち着きこそが例の《クォリティ》を知覚するための前提条件だからである。つまり、古典的《クォリティ》とロマン的《クォリティ》を超越し、なおかつこの二つを統一するその《クォリティ》が作業に伴っていなければならないのだ。良いと思われるものを見抜いて、その理由を理解し、作業のなかでこの良さと一体になることが、内なる安らぎ、つまり心の落ち着きを培い、ついにはその良さを輝き出させるのである。
(アンダーライン部は原著では傍点)

まだ読み終わってないので、今日もこれから少し読んでから眠ろうと思います。それではおやすみなさい。

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