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2007年8月 3日 (金)

SCAJ 2007 1日目: 生産国セミナー(ブラジル)

こんにちは。マダム でんでん♪でございます。

3日間にわたるSCAJ 2007も終了。昨日は帰ってきたらもうぐったりで、ブログの更新をする気力もなく眠ってしまいました。今日から何回かに分けて受講してきたセミナーやワークショップ、そして3日目のブース巡りのレポートを書いてみます。

まずは初日(7月31日)のオープニングセレモニーの直後に行われた、ブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)のセミナーのレポートです。

めちゃくちゃ長くなるので、「続きを読む」をクリックしてお読みください♪
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レポートに入る前に、少し「スペシャルティコーヒー」という考え方、運動について簡単に触れておきたいと思います。従来、コーヒーの品質評価は主に生産国で の欠点検査(豆の見た目におかしな点はないか、粒の大きさはどうか)の形で行われてきました。そして、多くの生産国では、豆のサイズ(フルイ分けのスクリーンサイズ) や生産地の標高(一般に標高の高い地域で獲れた豆の方が実が締まっておいしいとされる)によって、コーヒーの等級を表していたんです。豆のサイズで等級を つけているのはブラジル(No.2が最高)、コロンビア(スプレモが最高)、タンザニア(AAが最高)など、標高で等級をつけているのはガテマラ(SHB が最高)、メキシコ(SHGが最高)、コスタリカ(SHBが最高)などの中米地域です。

普通に考えれば、これでは等級がコーヒーのおいしさを直接表していないことは分かるわけです。標高のほうは生産地の気候の指標にはなっているのでまだしも、豆の大きさで分かるのは栄養がよかったということか大粒に実る品種だったということ程度で、一番大切なおいしいかどうかを適切に示す指標にはなってないわけです(欠点検査はするので、不味くはないということは言えるかもしれませんけど)。

そんな中でなんとかコーヒーの品質を適切に評価して、全体の質の向上に結び付けなければと言うことで生まれた考え方がスペシャルティコーヒーです。スペシャルティコーヒーとはコーヒーの木からカップの中のコーヒーまでの各段階で適切な品質評価を行うことで、品質を向上させようということを基本理念とする運動なわけです。

この考え方自体は誰がどう考えても正論なので、スペシャルティコーヒーの基本理念そのものは、生産国、消費国の多くのコーヒー関係者に広く受け入れられて、理念の実現のための団体がたくさん誕生しています(もっとも理念の実現に至る方法論の部分では異論も多いと思います。特に現在のスペシャルティコーヒー団体が品質評価のもっとも重要な基準として採用しているカッピングについては、「カッピング原理主義」とみなす焙煎家も多いのではないかと思います。このあたりのことはいつか詳しく書きたいですが、それはわたし自身がもっと勉強してコーヒーについての理解を深めてからにしたいと思います)。SCAJ 2007を主催した日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)も、このセミナーを実施したブラジルスペシャルティコーヒー協会(BSCA)もスペシャルティコーヒーという理念を実現するために作られた団体ということになります。

前置きが長くなりましたが、以下、今回受講したBSCAのセミナーのレポートに移りたいと思います。

セミナーは最初にブラジルのコーヒー栽培地域区分の大まかな説明の後、ブラジルで取り組まれている栽培方法、精製方法の話に及び、最後にBSCAでのスペシャルティコーヒーの認証基準の説明という順序で話が進んでいきました。印象に残った点を受講中に取ったメモから再現すると。

栽培方法
農作業量の平準化(特に収穫期における)を図る上で、植栽するコーヒーノキの品種にハラエティーを持たせる方法が試みられている。

コーヒーノキが花をつけてから実が成熟するまでに要する期間は品種によって異なり、一般に次のような順序で成熟までの期間が長くなる。

  • ブルボン、イカトゥ
  • ムンドノーボ、アカイア
  • カトゥアイ、オバタ

したがって、これらを混植することで実が成熟する時期をずらすことができ、短い期間に収穫作業が集中しないようにコントロールできる。これによって、成熟実を的確にピッキングすることが可能になる。

精製方法
ブラジルでは伝統的にナチュラル方式(摘果したコーヒーチェリーをそのまま天日乾燥することによりパーチメントコーヒーに精製する方法)が取られてきたが、産地地域の拡大に伴って水洗方式も増えている。両方の利点を生かせる方法として、パルプドナチュラルの採用も多い。

・水洗方式、パルプドナチュラル方式での精製工程
比重選別(水路にチェリーを流して比重で浮いてくるもの、沈むものを除去)
 ↓
グリーンセパレーター(遠心分離で柔らかい実=完熟実のみを選別)
 ↓(水洗)    ↓(パルプドナチュラル)
発酵槽     天日乾燥(ムシラージを残したままなのでボディー感が出る)
 ↓
水洗
 ↓
乾燥

・ナチュラル方式での精製
品質向上のため、乾燥の均一化をしやすい棚干しが増えている

・精製方式による香味の違い(ワインとの対比から)
ナチュラル方式  => 赤ワインに相当(フルボディ、濃厚な甘み)
水洗方式 => 白ワインに相当(ライトボディ、クリアで明るい酸味)

BSCAのスペシャルティ認証

  • 生産方法の評価基準に基づく認証(BSCAの基準またはRAなど外部認証機関による認証)
  • カッピングによる品質認証

の二本立てで両方を満たすロットにのみBSCAスペシャルティコーヒー認証が与えられる。

BSCAスペシャルティコーヒー認証を受けたコーヒーには、シリアルナンバーが付与されBSCAのホームページ内の"Trace Your Coffee"のページでトレーサビリティ情報を取得できる。

BSCAのセミナーで一番印象的だったのは、コーヒーの品種と香味特性の関連性についての質疑応答でした。農作業の平準化のために成熟の早さが異なる木を植えているという話に対して、会場から「この方法は従来の(コマーシャルコーヒーの)手法なのか、スペシャルティコーヒーでの手法なのか(暗に品質より生産の都合を優先しているんじゃないかというニュアンスを含む質問だったと思います)」という質問が出されました。

これに対するBSCAの方からの答えは、最近の比較研究では品種による違いはカッピングではほとんど感知できないことが分かってきた。コーヒーの香味の良し悪しは品種よりも栽培方法による差の方が大きいんだというお答えでした。これは、SCAJの「COFFEE 多様性の祝祭」のセミナーで講師の方が仰っていたことと同じですね(参考「SCAJセミナー - COFFEE 多様性の祝祭 第1回」)。

比較実験がどのような手続きで行われたものなのか、各品種についての最適な栽培方法を考慮した上での結果なのか、品種ごとの焙煎方法なども検討した上での結果なのか、などさまざまな疑問は湧いてきますが、おそらく商品作物としてのコーヒーという条件(と現在の技術制約)の中で考えると、ある程度妥当性のある結論なのかもしれません。ただ、これだけから「品種を問う意味はない」とまで言ってしまうのは言いすぎだろうと思います。また逆に「ブルボンだからすばらしいコーヒーだ」、とか「ゲイシャが最高なんだ」とかそういう品種至上主義も的外れで、商品作物としてのコーヒーを重要な国家産業として位置づけている産地としての、品種至上主義の歪みを補正したいという想いがこういうところににじみ出ているのかなと感じています(品種による差別化を行っていて逆の想いの産地もあるでしょうけど)。

以上がBSCAのセミナーの大まかな内容の要約です。まだまだ勉強不足のため理解不足による間違いなどあるかもしれませんので、正確な情報はBSCAのホームページ英語版/日本語版)でご確認ください。また、間違い、思い違いなどに気付かれましたら、この記事へのコメントまたは直メール([at_mark]の部分を@に直してください)でお気軽にご指摘いただけるとありがたいです。それと、一応、コーヒーのことにあまり詳しくない方にも分かるように書こうと努力はしましたが、咀嚼不足で専門用語とか説明しきれていない部分もたくさんあります。ご質問などもお気軽に~♪つたないわたしの知識で答えられる範囲でお答えします(^^。

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受信: 2007年8月13日 (月) 11:10

コメント

レポート、とても興味深く読ませてもらいました。
文章にまとめるの、ホントお上手ですよね。
でんでんさんのショップサイトでは読み物系が充実しそうて羨ましいなぁ〜。

最近、ブラジルのブルボンナチュラル、カトゥアイナチュラル、カトゥアイパルプドナチュラルの3種を焼いてみたんですけど、この辺の豆って固いんでしょうかね。なかなか膨らまず、水分も抜けず、気付いたら内側から焼け始めてて、難しい、という印象を受けました。で、味の方は・・・まだなんとも判断し難い感じです。明日にでもも一度、飲み比べてみたいと思いますが・・・。笑

投稿 こーた | 2007年8月 4日 (土) 22:30

>こーたさん
>文章にまとめるの、ホントお上手ですよね。
ありがとうございます~。でも、お店のホームページの方は、どういうアプローチでコーヒーのことを書いていったらいいのか、まだまだ悩んでます。そろそろ作り始めないといけないんですが。

>ブラジル
ブラジルはどちらかと言えば、固くない方だと思います。むしろ、水分が抜けすぎでハゼる力が弱くて膨らまないってことではないでしょうか?コロンビアばっかりやっててブラジルはまだあまり焼いてないのでなんとも言えませんが。

投稿 でんでん♪ | 2007年8月 4日 (土) 23:48

でんでんさんのコンセプトである「おうちカフェ」的なものと、「本物のコーヒー」とのバランスの難しさ、という点でなんとなく直感的に感じるのは、例えば、8:2、あるいは9:1くらいの割合で、コーヒーに重きを置いていいような気がするんですね。でんでんさんは、焙煎士にしては珍しく女性なんですから、自然に醸し出されるもの自体が、おそらく個性を放ってくるように思うんです。

言い方を変えると・・・自分らしく自然にコーヒー焙煎を打ち出すことで、自ずと女性らしさ、おうちカフェ的な要素が滲み出てくると思うので、プラスアルファで「おうちカフェ的要素を付け加える感じでもいいんじゃないかなぁー。おうちカフェとコーヒーのバランスを無理に取ろうとするよりは、コーヒーに重点を置き、且つ自分らしさ、女性らしさがそこに表現できれば、それだけでも十分個性が際立ってくるはず。そんな風にちょっと感じました。抽象的でうまくお伝えできないのですが、難しければ難しいほど挑み甲斐はあります。実際、すごく面白いテーマだと思います。

僕もずっとスプレモ焼いてましたが、もう放り投げたい感じです。スプレモは相変わらずハゲてばかりで・・・。なので、今も天日干しのコロンビア3種類取り寄せました。これがハゲなければスプレモはやめて、天日干しと有機の2種を置こうと思ってます。

投稿 こーた | 2007年8月 5日 (日) 22:26

>自ずと女性らしさ、おうちカフェ的な要素が滲み出てくると思うので、
う~ん。そう思われますか?
うちのブログ、なんだか焙煎データとか温度計がどうしたこうしたとか、そんなことばっかり書いてるんで、ちょっと心配です(笑。
ネットショップだとどうしてもホームページで提示する情報がすべてになってしまうので、ホームページの作成がんばりたいと思います。
コーヒーの味は飲んでみてもらわないと伝わらないですからね~。
もちろん、コーヒーの焙煎についても妥協するつもりはないんですが、集中して取り組まないと難しいかなと思ってます。まずはデータをきちんと取れる環境を作って、秋以降は焙煎に集中して取り組みたいと思ってます。

スプレモ、ハゲますか。固い豆なので火をしっかり通そうとすると、どこかにムリが出ちゃうんでしょうね。わたしは半分くらいの割合で焦げ味出しちゃいます。蒸らし後半の排気が弱すぎるかな~と思ってます。

投稿 でんでん♪ | 2007年8月 6日 (月) 16:56

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