焙煎データの記録について
某所で焙煎温度計のころが話題になっていたので、わたしが使っているデータロガー、温度センサーについて少し書いてみます。あと、焙煎機に取り付ける測定器のアイディアのメモみたいのを少し。
わたしが使っているデータロガーについては以前の記事でもちょっと触れていますが、うちでは坂口電熱さんで購入したMT-306という2chのデータロガーを使ってます。この製品にはK型熱電対が2本付いているのですが、これは樹脂の被覆なので焙煎の温度では被覆が融けてしまいそうです(融けたのがコーヒーに付着する?とか考えるとちょっとイヤ)。また、センサー(熱電対)そのものは短時間なら高温でも大丈夫らしいのですが、常時高温では長期間使用するうちに接触部がおかしくなって精度が落ちていくらしいです。
そんなわけで、お店で相談してシース熱電対っていうのを購入して使ってます。これは熱電対の部分を絶縁物で覆って保護してあるもので、高温で使っても大丈夫らしいです。
ちょっと分かりにくいですが、左の写真の柄の部分から手網内に伸びているのがシースで、先端部に熱電対がシースに覆われる形で入っています。わたしが買ったのはシース径が1mmだったので網を千枚通しで広げてシースを通しています。
ちなみに、わたしが買ったデータロガーは約2万円、シース熱電対は1000円~2000円くらいのお値段だったと思います。シース熱電対もシース部の長さや径でいろんなタイプがあるので、モノによって大分値段は違うかもしれません。
参考: 坂口電熱さんの熱電対扱い品リスト(残念ながら通販はしてないみたいです。ご興味のある方は直接問い合わせてみてください)
データロガーは2万円もするわけで、ちょっと高いです。今わたしが使ってるのは、2chなんですが、焙煎機だともうちょっといろんな場所の温度を取りたい。最低限で豆温度と排気温度。これでもう2chいっぱい。さらに釜そのものの温度を調べてみるとかはできないので、4chとか8chのが欲しいわけです。で、いろいろ探してみてるんですが。
4chデジタル温度計: データロガー付きとデータロガーなしの2タイプがあって、データロガー付きは40,000円ちかくするけど、データロガーなしなら26,000円。データロガーなしの方にも RS-232Cケーブルが付いているっぽい(セット内容の写真にRS-232Cケーブルが写っている)ので本体でのロギングはできないだけで、ソフトを組めばRS-232C経由でPC側でデータを記録することはできるかも?
8chデータロガー: 値段的には4chデジタル温度計のデータロガー付きと同じくらい。8chのロギングができるけど、本体に温度表示の液晶はついてない。メーカーのホームページからPC側で温度グラフを表示するソフトがDLできる。
8ch10ビットデータロガー: このキット自体は電圧のデータロガーだけど、熱電対は温度によって変化する起電力で温度を測定する仕組みなので、熱電対を使って温度のロギングも可能。ただ、熱電対の起電力は小さすぎるので増幅しないと測定できないかも。こんなのと組み合わせると温度の記録できそう。データロガーキットが6,500円、J熱電対用の温度測定キットが2,200円でチャンネル分なので、15,000円強で4chロギングできそう。
あと、データロガーがあれば、とりあえず温度データは記録できます。でも、これだけじゃ足りないと思うんですよね。やっぱり排気の圧力(風速?)、ガス圧なんかも自動で記録したい。デジタルでPCにデータ取り込みできる圧力計(微圧計)とかがあれば、排気やガス圧も自動記録できるんじゃないかと思うんですよ。で、ちょっと調べてみてるんですが。横浜計器さんで扱ってる、長野計器さんの製品でできないかな。
焙煎のデータを取るべきかどうかということですが、プロでもいろんな考え方の人がいるようです。外気の温度や湿度、風などの条件で焙煎の経過はぜん
ぜん違ってしまうから、詳しいデータを取る意味はないという考えの方もいらっしゃるようです。それよりも豆面や匂い、音などの感覚的な変化をしっかり覚え
て、経験で正しい焙煎を身に着けるべきだという考えかたでしょうか。わたしもその考え方には一理あるとは思ってます。数値データを取ればよい焙煎ができる
という考えでデータを取るなら、それは間違っているという意味で。
でも、データは不要とまで言ってしまうならそれは明らかに極論だと思うし、プロとしてはちょっと。。。と思ってしまいます。仕事として焙煎するならおいしいコーヒーを作るためにあらゆる努力を惜しむべきではないと思うんですよね。もちろん、趣味でやるならデータ不要論に問題はないです。趣味だったら毎回ブレる味を楽しむという楽しみ方もあるし、いつもと違うことをしてみたらなんだかめちゃくちゃおいしかった!!でも、そのとき1回限り。みたいな一期一会が楽しいってのもアリでしょう。
ただ、仕事で焙煎をするなら、商品として売るコーヒーの味のブレは最小限に抑える必要がありますし、普段とは違う焙煎方法を試みてさらにおいしいコーヒーを作る努力も必要です。そして、新しいことを試すときには絶対に記録という行為が必要だと思うんです。記録がなければ再現のしようがないんですよ。まあ、中には超人的に感覚が鋭くて、焙煎の経過を体に刻み込むように記憶できる達人はいるかもしれないです。そういう人はプロ中のプロなわけで、記録なんて必要としないんでしょうが。少なくともわたしはその点では間違いなく凡人なので、やはり記録をとることを考えるんです。
問題は、記録をとることが目的になって焙煎中の変化を体で感じることがおろそかになってしまっては本末転倒だってこと。そのためには記録をとる作業はできるだけ簡単でなければならない。記録表とにらめっこしながら、30秒とか1分ごとに記録をつけるんじゃ、やっぱり感覚は磨かれません。だから、自動的に記録してくれるシステムが欲しいわけです。
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